巻頭言
リハビリテーションから保健福祉学の誕生へ
高山 忠雄
1
1岡山県立大学保健福祉学部
pp.97
発行日 1995年2月10日
Published Date 1995/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107790
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機会あってわが国初の保健福祉学科の創設にかかわることになった.リハビリテーションの領域にどっぷりと漬かってはや四半世紀が過ぎた.よりよく社会に適応するための支援の総称としてリハビリテーションを捉え,個別支援技術からシステム論まで幅広く取り組んできたものの,気がつけばカタカナのリハビリテーションという言葉と類似した意味合いで「保健福祉」という言葉が巷に溢れていることに気付いたのである.
特にここ数年「保健福祉」という言葉を耳にすることが驚くほど多い.たしか昭和63年2月に日本保健福祉学会が発足し,半年後に厚生省老人保健福祉部が設置されたと記憶している.その後の進展はまさに目を見張るものがあり,ゴールドプランや福祉8法改正による自治体への権限移譲により保健福祉計画の策定等による市町村の特徴ある成果が期待されるまでに至っている.また,自治体においても,従来の保健関連部門と福祉関連部門の統合化が各地で進められており,保健福祉部局の設置,保健所と福祉事務所を合わせた機関の誕生等,さまざまな試みが実際に起動し始めている.
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