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研究と報告
職能評価法としての日常生活能力調査の有効性―健常中高年製造業従事者への適応を通して
Effectiveness of the ADL Checklists as a Tool for Evaluating the Vocational Competencies: A Survey of Nonhandicapped Male Blue-collar Workers over Age 45.
菊池 恵美子
1
,
村上 恵一
2
Emiko Kikuchi
1
,
Keiichi Murakami
2
1東京都立医療技術短期大学作業療法学科
2東海大学医学部リハビリテーション学教室
1Tokyo Metropolitan Colledge of Allied Medical Siencies
2Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University School of Medicine
キーワード:
健常中高年
,
製造業従事者
,
生活能力
,
職業能力
Keyword:
健常中高年
,
製造業従事者
,
生活能力
,
職業能力
pp.309-316
発行日 1994年4月10日
Published Date 1994/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107591
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はじめに
障害程度判定の基礎として,いわゆる正常値を知ることは大変重要である.しかしリハビリテーション領域における研究の中で,フィールドワークに基づく基礎研究1-8)は少ない.また健常者の体力測定に関するデータも65歳以上の高齢者を対象としたものはほとんど見あたらない9,10).
ところでわれわれは,1991年に実施した健常中高年就業者457名へのアンケート調査7)の結果から,個人の日常生活能力を通して,老化の程度や予後予測,さらには,ある程度の職業能力を把握することができるのではないかとの手がかりをつかんだ.しかし,アンケート調査の回答はあくまで主観によるものであり,身体バランス(以下,バランス)をはじめ,項目によっては回答の信憑性に疑問が残った.また日常生活能力に関する質問項目も,基本職業能力として仮定した13能力にさらに対応して作成する必要を感じた.
そこで,日常生活能力については項目を増やして再度調査すると同時に,試作した基本職業能力測定器具による新しい計測を実施し検討を加えたので報告する.
対象者に負担が少なく,しかも適切にその職業能力を把握できる評価法を開発することは,今後,一層高齢化する障害者の評価にとって必要不可欠なことである.
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