巻頭言
障害者問題の今昔―振り返って20年,これから先10年
宇藤 健司
1
1石和共立病院リハビリテーション科
pp.275
発行日 1994年4月10日
Published Date 1994/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107583
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約20年前にこの「総合リハビリテーション」誌が創刊された当時,大学2年生だった私は同級生たちが始めた障害者医療研究会という同好会に加わって,テキストとして学習しました.全障研の機関誌「みんなのねがい」を読み合わせしてもイメージがつかめなかった私たちは,試行錯誤の一環として近くの国立療養所の重症心身障害児病棟や滋賀県のびわこ学園を訪問して食事介助を体験させてもらい,悩みつつ討論したものでした.
10年前にスタートした「国連・障害者の10年」は,国際障害者年のスローガンであった「障害者の完全参加と平等」をめざして取り組まれ,人権に関わる多様な「障害者問題」があることが明らかになりました.全国で「ひまわり号」という障害者列車が走るようになってやはり10年になりますが,私も毎年多くの受け持ち患者さんと一緒に参加してきました.QOLがリハビリテーションのゴールとして浮上してきたのもこの10年です.
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