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特集 骨代謝の基礎医学とリハビリテーション
骨代謝障害の薬物療法
Treatment by Medicine for Metabolic Bone Disorders.
林 泰史
1
Yasufumi Hayashi
1
1東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital
キーワード:
骨代謝
,
薬物療法
,
骨粗鬆症
Keyword:
骨代謝
,
薬物療法
,
骨粗鬆症
pp.19-24
発行日 1993年1月10日
Published Date 1993/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107267
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骨代謝障害の病因
骨は多くの細胞から形成されて生きていることが判明してから約400年経ち,外因,内因に影響されて変化していることが判明してから約40年経ち,昨今では骨代謝障害を惹起ずる因子のいくつかが明確になってきた.骨代謝障害を予知し,その病因を見極め,適切な薬物療法を選択することにより,医学的リハビリテーションの施行を容易にしようとするのが本論文の主旨である.
前後のテーマでは骨代謝障害については記載されていないので,まず,これを概説しておく.骨代謝に障害を与える因子として,加齢,不動以外に消化吸収障害,腎障害,性腺機能障害,内分泌障害などが挙げられ,ほかに肝障害,副腎皮質ホルモン内服,抗けいれん剤内服,糖尿病,慢性関節リウマチなど,因子は多岐に亘っている.これらの因子が直接骨の細胞に働いて骨形成を抑制したり,促進したりもするが,ホルモンや局所の無機質の環境を修飾することを通して骨萎縮や骨硬化を招来することもある.骨代謝障害には上述したように原因の特定できるものもあるが,特定できずにいくつかの原因の重なったと考えられるもの,原因について議論の分かれているものもまた多い.
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