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増大特集 知っておきたいリハビリテーション・テクニック
日常生活動作訓練のテクニック
入浴動作
Training of Bathing Activities.
木村 伸也
1
,
大川 弥生
2
Shinya Kimura
1
,
Yayoi Okawa
2
1東京大学医学部附属病院リハビリテーション部
2帝京大学市原病院リハビリテーション科
1Central Rehabilitation Service, University of Tokyo Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Teikyo University Ichihara Hospital
キーワード:
ADL
,
入浴動作
Keyword:
ADL
,
入浴動作
pp.893-896
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107177
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はじめに
日常生活動作(ADL)訓練の目的は,「(将来)する(ようになる)ADL1)」(自宅・社会に復帰した場合に実行するであろうもの)レベルを高めることである.そしてその前提としては「できるADL」(評価・訓練時の能力)よりも「しているADL」(実生活で実行している能力)を重視してADL訓練を進めていくことが重要である2).ADL訓練の進め方の基本的な考え方については本特集3)でも述べられているが,身の回り動作の中で入浴動作の場合はそこで述べられている視点からのアプローチが最も不十分になりやすいと言える.
普通脳卒中をはじめとして多くの疾患の患者のADL動作の中で,入浴動作は最も自立度が低いといわれているが,その原因を考える場合,評価や訓練のやり方にも問題がないかどうかも反省すべきと考える.すなわち,入浴動作は身の回り動作としては実際の訓練の場面で評価されることが最も少ないものであろう.また病棟生活上でも衛生のための入浴と位置づけられ,「自立に向かっての介助」の視点が最も薄れやすく,最も対応が不十分なものともいえる.しかしながら,この視点からの報告はきわめて少ない4-6).
そこで本稿ではわれわれが「積極的リハビリテーション・プログラム7)」のもとでの入浴訓練において特に重視して取り組んでいる点を中心に述べることにしたい.
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