座標軸
〔座談会〕ソ連の医療事情とリハビリテーション
中村 隆一
1
,
千野 直一
2
,
伊藤 利之
3
,
安藤 徳彦
4
,
上田 敏
5
1東北大学医学部リハビリテーション医学研究施設
2慶応義塾大学医学部リハビリテーション科
3横浜市総合リハビリテーションセンター障害者更生相談所
4神奈川県総合リハビリテーションセンターリハビリテーション医学科
5東京大学医学部付属病院リハビリテーション部
pp.733-739
発行日 1991年7月10日
Published Date 1991/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106867
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上田(司会) 一昨年の10月14日,15日の両日,東京で日ソ・リハビリテーション・シンポジウムが行われました.このシンポジウムの内容は私が本誌に簡単に紹介しています(総合リハ17:979-980,1989)が,実はこのシンポジウムは偶然実現しました.広島で行われた「原爆に反対する医師の会」にソ連がたくさんの医師を派遣してきましたが,その中にリハビリテーションに関係している医師がかなりいたため,日本のリハビリテーション専門の医師との交流を希望する声が強く,大慌てで準備して,急遽開催の運びとなりました.このシンポジウムがもつ意義は,初めてソ連のリハビリテーション関係の医師と話し合いがもたれたことで,中でも宇宙飛行後のリハビリテーションといった話を,実際に宇宙を飛んだ循環器専門のリハビリテーション医であるアチコフ先生から聞けたことは非常に大きな収穫だったと思います.
このシンポジウムが契機となって,第2回のシンポジウムを今度はソ連で行いたいという話がソ連大使館を通じて昨年初めにありました.そこで日本リハビリテーション医学会が中心となっていろいろ対応していこうということになり,シンポジウムが行われる頃,日本を離れることができるとか,いろいろな条件がありましたけれども,我々5人がソ連を訪問して第2回の日ソ・リハビリテーション・シンポジウムに出席しました.その後,モスクワやグルジア共和国周辺を視察する機会にも恵まれましたので,ソ連の医療事情,特にリハビリテーション医療の現況について,座談会という形式で報告したいと思います.
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