一頁講座 リハビリテーション関連用語集(6)
看護と介護
伊藤 利之
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター障害者更生相談所
キーワード:
看護
,
介護
Keyword:
看護
,
介護
pp.665
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106852
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- 文献概要
昭和62年,我が国では医療関係者以外の介護の専門家「介護福祉士」が誕生した.この「介護福祉士法」において,介護福祉士は“日常生活を営むのに支障があるものにつき入浴,排泄,食事,その他の介護を行ない,並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行なうことを業とするものをいう”と定義されている.すなわち,介護福祉士は家庭生活の中で自然に行われている保健・福祉機能が分化し,その一部分を専門的職業人に委ねるようになってきた歴史を背景に誕生した職種であり,その意味では,保母,看護婦,家政婦などと同じ概念で把えることができよう.
スウェーデンでは今世紀半ば,ちょうど老年人口率が10%を越えた時期に,「高齢者のケア・サービスを誰が担うのか」という論議が社会的に大きな問題になった.昭和60年には我が国でも老年人口比率が10%を越え,同様の論議が活発化してきたことは周知の通りであり,高齢化社会の到来がその分化に拍車をかけたことは各国とも共通している.ちなみに,このような歴史的経過とあいまって,昭和56年頃より各種の国語辞典にも「介護」という用語が載るようになってきた.しかし,昭和49年に発行された「社会福祉辞典(誠信書房)」にはすでにこの用語が掲載されており,“疾病や傷害などで日常生活に支障のある場合,介護や身の回りの世話(炊事,買物,洗濯,掃除などを含む)をすること”と解説されている.
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