書評
秋元波留夫・上田敏―精神を病むということ
藤井 克徳
1
1共同作業所全国連絡会事務局
pp.32
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106706
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古くは1964年の「ライシャワー事件」,最近ではつい1か月前の「元労相刺傷事件」.いずれも精神障害者が関与した出来事であった.一般的に描かれている精神病者像あるいは精神障害者像は,こうした「事件」と無縁ではなさそうである.
現に,友人や知人の多くが言う―「作業所では大丈夫?」「怖くない?」―そのたびに懸命に説明する.精神障害者による犯罪の割合が,健常者に比べいかに少ないか,しかも犯罪時,その約7割が無目的で,孤独な在宅生活にあり,社会復帰対策の立ち遅れが,「事件」の背景に結びついていること,そして共同作業所での社会復帰を目指しての真面目な活動ぶりをつけ加える.
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