Japanese
English
症例報告
骨髄移植後の患者に生じた原発性皮膚アスペルギルス症
Primary cutaneous aspergillosis occuring in a patient after bone marrow transplantation
池内 昭博
1
,
上田 富士雄
1
Akihiro IKEUCIII
1
,
Fujio UEDA
1
1社会保険京都病院皮膚科
1Department of Dermatology, Social Insurance Kyoto Hospital
キーワード:
皮膚アスペルギルス症
,
白血病
,
骨髄移植
Keyword:
皮膚アスペルギルス症
,
白血病
,
骨髄移植
pp.1037-1039
発行日 1998年11月1日
Published Date 1998/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902712
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20歳,男性.急性リンパ性白血病と診断され,骨髄移植が施行されるも生着不全.その後,化学療法施行中に左側胸部に約1.5cmの皮下硬結が出現し,非ステロイド系抗炎症剤外用を行っていたが,約2か月後には直径約5cmの黒色壊死局面を呈してきた.メスにてデブリードマンを施行すると,黒色壊死局面の下は壊死組織に裏打ちされたポケットになっており,黄色澄明調の排液と直径約15mmの球状の膿塊を認めた.デブリードマン時,好中球数は0であった.真菌症を疑い,苛性カリにて膿塊を直接検鏡したところ多数の菌糸を認め,培養により.Aspergillus flavusと同定した.ポケット内にビフォナゾールクリームを注入しガーゼタンポンを挿入,デブリードマンを施行し,フルコナゾールおよびミコナゾールの点滴静注を行ったが病変の改善はなく,患者は敗血症にて永眠された.自験例は好発部以外に発症しており,当初診断に苦慮した.
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