Japanese
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講座 歩行(4)
歩行の力学(Kinetics)―フォースプレートによる歩行解析
Kinetics of Human Locomotion.
盛合 徳夫
1
,
小住 兼弘
2
Norio Moriai
1
,
Kanehiro Kozumi
2
1東北労災病院リハビリテーション科
2宮城教育大学
1Department of Rehabilitation Medicine, Tohoku Rosai Hospital.
2Miyagi University of Education.
キーワード:
歩行
,
運動力学
,
床反力
Keyword:
歩行
,
運動力学
,
床反力
pp.289-298
発行日 1987年4月10日
Published Date 1987/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106498
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Ⅰ.床反力の意義
歩行運動において下肢各部位に変位を生じる力は,筋力,重力および足底に作用する床反力である.
床反力は次のように考えることができる.図1で右脚が前に踏み出されており,身体から床に対し矢印⇒のような力が作用している.この作用力は体重心から足底の作用点(point of application)に向かっている.作用点は圧力の中心(center of pressure)とも呼ばれ,この点で作用力に対し大きさ等しく,方向反対の床反力が釣り合っている.
床反力を進行方向に対し垂直,前後,側方の3分力に分けて考えると,垂直分力は重力と身体の上下運動に伴う慣性力との合力に対する反力である.歩行中の重力の加速度と身体の質量はともに不変であるから,垂直分力は体重のレベルに対して慣性力の垂直方向の加速度成分に比例して変化する.また前後分力および側方分力は,重力とは無関係に,慣性力のそれぞれの方向における加速度成分に比例して変化する.
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