一頁講座 イラスト・神経学的テスト(11)
感覚系の診かた―1.表在・深部感覚
岡島 康友
1
1東京専売病院リハビリテーション科
pp.903-905
発行日 1990年11月10日
Published Date 1990/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106383
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はじめに
体性感覚は皮膚表面に関する表在覚と筋・腱・関節など皮下に由来する深部覚に大別される.神経学的には,表在覚として痛覚,触覚,圧覚,温覚,冷覚,また深部覚として位置覚(関節運動覚),振動覚(骨部)などが分類されるが,厳密には通常の臨床感覚検査で純粋に単一感覚を検査することは難しい.例えば,位置覚を調べるのに指を側面から押さえて微小の掌背屈を行った場合,関節の動き以外に押さえた皮膚の運動時にかかるshearing forceの情報も加味されることになる.その意味でも単一受容器刺激に出発点を置く感覚生理学と臨床神経学とではニュアンスが多少異なることは注意すべきである2).
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