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特集 三叉神経系
顎・顔面領域の深部感覚情報—骨膜・筋膜・歯根膜
Deep sensory information from periosteum, fascia and periodontal ligament in oral-facial region
坂田 三弥
1
Sanya SAKADA
1
1東京歯科大学生理学教室
1Department of Physiology, Tokyo Dental College
pp.1021-1034
発行日 1974年12月10日
Published Date 1974/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903680
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I.はじめに
顎・顔面領域の深部組織—骨膜・筋膜・歯根膜などの神経支配,受容器の形態を明らかにし,かつこれらの受容器が,体内外の刺激を受け,感覚情報すなわち伝導性インパルスをどのようなパターンで,それぞれの神経線維に発生させ,中枢神経系に送り込むものであるかを知ることは,顎・顔面領域の深部感覚ならびに反射の発現などとの関連上大切である。
しかし,上記3組織中,上・下顎骨骨膜・咀嚼筋筋膜などを支配する神経幹は細く,自然刺激によって発現する感覚情報を当部から導出することは困難である。この問題点は,半月神経節をインパルスの導出部に選ぶことによって解消されるはずであるが,神経節から骨膜・筋膜を支配する感覚単位のインパルスが導出できる確率は低く,全感覚単位の特性が観察しにくい。インパルスを導出する上での困難さはあるが,骨膜・筋膜は薄く,受容器の生体染色が容易であり,かつ受容器の重畳が少ないために,受容器の形態と機能の同定が可能である利点を持っている。
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