一頁講座 イラスト・神経学的テスト(7)
錐体路系の診かた2―正常反射・共同運動
安藤 徳彦
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
pp.561-562
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106313
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錐体路
錐体路とは延髄錐体を通過する線維群をいう.古典的には図1のとおり,大脳皮質第4野Betz細胞を起源に,内包を通過して中脳脚を通り,延髄錐体を構成し,延髄下部で交叉して脊髄側索を下降し,脊髄前角運動ニューロンに接続する線維群を指す.そして錐体路の障害は筋萎縮を伴わない痙性麻痺,深部反射亢進,Babinski反射出現,腹壁反射消失とされる.しかし,錐体路中に占めるBetz細胞由来の線維数は人で約3%のみで,第4・6野由来が80%だという.また,錐体路は内包では後脚後部1/3のみに限局し,内包障害が即ち錐体路障害ではないという指摘もある.錐体路という語義に混乱があるらしい.ここでは上位運動ニューロンの検査法を,深部・表在反射を中心に述べる.
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