連載 症候学メモ・20
非錐体路性の腱反射亢進(non-pyramidal hyperreflexia)
平山 惠造
1
1千葉大学神経内科
pp.802
発行日 1986年8月1日
Published Date 1986/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205763
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◆腱反射の亢進は通常,錐体路障害によるものとされている。これは大部分の場合に正しい。つまり,我々は腱反射が亢進していれば錐体路が形態的か機能的に障害されているものと考える。しかし,ときとして,その腱反射亢進が錐体路病変によるとは考え難い場合がある。
◆Parkinson病患者で,ある適度な筋強剛がみられるとき,腱反射が亢進してみえる場合がある。L-DOPA治療のなかった頃は,Par-kinson病患者はArtaneのみでは筋強剛が十分に軽減せず,しばしば筋強剛性の拘縮を呈して,腱反射が誘発され難くなるのが一般的な傾向であったが,それでもそのような重い状態になる前には,ここでの問題に相当するような症例がないではなかった。
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