Japanese
English
症例報告
Thalamic neglectの日常生活動作に及ぼす影響について―局所脳血流からみた2症例の検討
Effect of Thalamic Neglect on Activities of Daily Living.
前島 伸一郎
1,2
,
兵谷 源八
1
,
寺田 友昭
1
,
中村 善也
1
,
横手 英義
1
,
林 靖二
1
,
駒井 則彦
1
,
土肥 信之
2
Shinichiro Maeshima
1,2
,
Genhachi Hyoutani
1
,
Tomoaki Terada
1
,
Yoshinari Nakamura
1
,
Hideyoshi Yokote
1
,
Seiji Hayashi
1
,
Norihiko Komai
1
,
Nobuyuki Dohi
2
1和歌山県立医科大学脳神経外科
2藤田学園保健衛生大学リハビリテーション科
1Department of Neuro logical Surgery, Wakayama Medical College School of Medicine
2Department of Rehabilitation Medicine, Fujita Health University
キーワード:
Thalamic neglect
,
ADL
,
局所脳血流
Keyword:
Thalamic neglect
,
ADL
,
局所脳血流
pp.445-450
発行日 1990年6月10日
Published Date 1990/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106286
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はじめに
半側空間無視は高次脳機能障害の中でも,特にリハビリテーション(以下リハ)の阻害因子となりうる重要な症状である.これは体外空間の半側にある対象を無視する症状であり,右大脳半球の頭頂後頭葉接合部病変で生じるとされている1).近年,右後頭葉や前頭葉病変,右視床や被殼などの皮質下病変でも生じることが知られてきた2~5).また左半球病変で生じた報告6)もある.しかし,その責任病巣や発現機序については検討すべき問題点も少なくなく,神経心理学的症状の質的な差異,さらには日常生活場面に及ぼす影響などについては未だに明らかではない.
今回,我々は右視床出血で一過性に左半側空間無視(thalamic neglect)を呈した2症例に対し経時的にXe-enhanced CTを施行し,脳循環動態面からみた責任病巣を検討するとともに,急性期に日常生活動作に及ぼす影響を考察した.
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