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実践講座 在宅医療に役立つ知識
4.排便コントロール
The Evacuation Control.
牛山 武久
1
Takehisa Ushiyama
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター病院泌尿器科
1National Rehabilitation Center for the Disabled Hospital
キーワード:
排便
,
便秘
,
下痢
Keyword:
排便
,
便秘
,
下痢
pp.465-469
発行日 2000年5月10日
Published Date 2000/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109231
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はじめに
膀胱が心の鏡と言われているように,腸管もまた自律神経に支配されているので,心の変化や環境の変化を受けやすい.その変化に応じて腹部不快感や腹痛を生じ,便秘や下痢になる.旅先で排便習慣が狂うことはしばしば経験する.暑い夏,忙しさにかまけて排便を我慢していると便はこちこちに固くなり,トイレでウンウン唸るようになる.幼児なら無花果浣腸ということになるが,大人にとって浣腸はいやだから,数日出なければ下剤を飲む.老人や麻痺のある人,骨盤内臓器を手術した人では,便秘や下痢にいつも悩んでいる.大腸癌を切除した後の人工肛門の管理も厄介である.また,介護されている寝たきりの人では排便を介助されること自体がすでに自分の尊厳を傷つけられている.
こうした排便の問題を理解するために,初めに基礎的な大腸の働きを述べ,次に排便コントロールの臨床的な対策ついて述べる.
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