巻頭言
チームワーク,リーダーシップそして社会心理学的観点
才藤 栄一
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション科
pp.843
発行日 1988年11月10日
Published Date 1988/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105944
- 有料閲覧
- 文献概要
リハビリテーション(以下,リハ)チームにとって,チームワークの設計は他のどのような組織にも増して重要だと思う.一方,リハ医がそのリーダーシップをとるのはたやすいことではないとも思う.チームワーク達成には多くの課題が待ち受けているからだ.
障害や慢性疾患という不幸を抱えた人間と関わり,くじけず粘り強くその社会復帰を助けるために必要なチームワークの確立はなかなかの課題である.その際PT・OTといった新しい職種と医師や看護婦など従来の医療職種との間に互いの役割について十分に納得された合意があることも必要となろう.また,リハの全人間的復権という目標は理想主義的かつ総論的であるため,その実施にあたってチームの限界を踏まえて能力に見合った具体的目標を検討しておかねば,スタッフに不合理で多大な労力を強いることになりかねない.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.