骨格構造義肢と処方

　骨格構造義肢の普及は，義肢の処方のあり方に大きなインパクトをもたらした．それは義肢の相当な部分が部品（完成要素）によって組み立てられるという画期的システムが提示されたことによる．また部品の標準化は処方形式の基準化を容易にすることにつながり，義肢価格も合理的に算定されるというメリットをもたらした．義肢価格体系の基本ともなる「補装具の種目，受託報酬の額等に関する基準」（現在の通知は昭和48年6月16日厚生省告示第171号が基本となっており，これが18回改正されている．）の中に骨格構造義肢が設定されたのは，昭和56年8月29日社会局長通知（社更108号）による第10次の厚生省告示であるが，ここで示された部品等の積み上げ方式による価格設定法は，昭和61年2月28日の社会局長通知（社更17号）によって，従来から一体構造型の総額計算方式を取っていた殼構造義肢および装具に対しても同様な方法が取られるようになったことを考えると，わが国の義肢装具体系推移の中で重要な歴史的意味を持つものと思われる．