Japanese
English
特集 骨関節疾患とそのリハビリテーション
膝疾患に対するリハビリテーション―とくに変形性関節症,慢性関節リウマチについて
Rehabilitation for Knee Disorders, with Special Reference to Osteoarthritis and Rheumatoid Arthritis.
腰野 富久
1
,
斎藤 裕
1
Tomihisa Koshino
1
,
Hiroshi Saito
1
1横浜市立大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Yokohama City University School of Medicine.
キーワード:
膝疾患
,
物理療法
,
拘縮除去
,
大腿四頭筋力増強訓練
,
装具療法
Keyword:
膝疾患
,
物理療法
,
拘縮除去
,
大腿四頭筋力増強訓練
,
装具療法
pp.355-362
発行日 1988年5月10日
Published Date 1988/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105820
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はじめに
膝の機能は基本的に分析すれば,可動性,安定性,疼痛の3つの要素に分けられ,臨床的所見,日常生活動作上の障害はこれら要素の組み合わせから派生したものと考えられる.
膝関節疾患は多数あるが,日常診療において,その大半は①変形性膝関節症(osteoarthritis:以下OA),②慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis:以下RA),③外傷(骨折,半月板損傷,靱帯損傷など),④特異性炎症による関節炎などである.これらの疾患は急性外傷を除けば,慢性であるため,長期の治療が必要でリハビリテーションにあたっては,膝の機能を正しく評価し,ゴールを立て,医学的治療を含めたチームアプローチによる長期的,総合的リハビリテーションが必要である.関節疾患全般にいえることであるが,総合ケアのゴールは疼痛の寛解と筋力の回復およびそれによる円滑な移動動作の獲得であり,その結果患者が家族と満足な生活を送り,患者自身の社会における有用性を獲得することである.
今回,OA,RAを中心とした慢性膝疾患における機能訓練,リハビリテーションについて述べる.
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