Japanese
English
研究と報告
運動負荷時におけるR-R間隔の変動
R-R Interval Variations during Exercise.
丸山 仁司
1
,
斎藤 宏
1
,
今泉 寛
2
,
梶村 由美子
2
,
江口 律子
2
,
藤田 博暁
2
,
大森 俊一
3
,
中根 央
3
Hitoshi Maruyama
1
,
Hiroshi Saito
1
,
Hiroshi Imaizumi
2
,
Yumiko Kajimura
2
,
Ritsuko Eguchi
2
,
Hiroaki Fujita
2
,
Shun-ichi Omori
3
,
Hiroshi Nakane
3
1東京都老人総合研究所運動研究室
2東京都板橋ナーシングホームリハビリ室
3東京理科大学工学部
1Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology.
2Tokyo Metropolitan Itabashi Nursing Home.
3Science University of Tokyo.
キーワード:
変動係数
,
定常性評価
Keyword:
変動係数
,
定常性評価
pp.39-44
発行日 1986年1月10日
Published Date 1986/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105521
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はじめに
心拍数は運動負荷強度を決定する際の生理的指標としてよく用いられている.その心拍数は一拍動ごとの時間,すなわち,心電図上のR-R間隔から算出される.
R-R間隔は通常わずかであるが変動しているため,心拍数を算定する場合に誤差の原因となる.また,心拍数は常に変動がみられ,その変動性を心拍変動性(Heart Beat Variability:HBV)という.R-R間隔の変化については以前からいくつかの報告1~4)がなされているが,その測定方法として拡大スケールなどが用いられ,大量のデータ処理などには限界があった.しかし,今日では,コンピュータなどの工学機器の発達により,R-R間隔の自動計測,および,大量のデータの処理などが容易となり,HBVと生体負担度などの関係についての研究が生体工学,人間工学,心理学,医学などの分野で取り上げられてきた5~7).HBVの臨床への応用としては糖尿病による自律神経障害の診断や中枢神経疾患による中枢性の自律神経障害の定量化などが試みられている8~10).
本研究ではテレメータ心電計より出力信号を取り出し,R-R間隔を測定する簡易な装置を作製し,運動負荷強度の相違から変動係数の変化を求めた.また,R-R間隔を時系列として考え,その定常性の評価と自己回帰モデルを用いた周波数分析を行い,各負荷強度下における特徴を検討した.
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