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特集 リハビリテーション看護
総合病院におけるリハビリテーション看護:行動科学的アプローチ
Rehabilitation Nursing in General Hospital: Behavioral Approach.
大橋 正洋
1
Masahiro Ohhashi
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンターリハ医学科
1Kanagawa Rehabilitation Center.
キーワード:
リハ看護
,
慢性疾患
,
行動科学的アプローチ
Keyword:
リハ看護
,
慢性疾患
,
行動科学的アプローチ
pp.571-575
発行日 1985年8月10日
Published Date 1985/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105426
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はじめに
米国看護婦協会の作成した「看護業務の基準」によると,リハ看護の目的は合併症の予防および,身体的・心理的・社会的健康の回復と保持である.そのための活動として(1)病気または身体障害を持つ個人の安全保持,(2)患者にとって望ましい社会条件・環境条件が整えられることへの援助,(3)患者と治療者との良好な治療関係が確立されることへの援助,(4)患者が生活環境の中で最善の機能を発揮できるような援助,の4項目が挙げられている1).
リハ看護のあるべき姿はこれに要約されているが,本文においては,「リハ看護の対象として慢性疾患あるいは慢性的な障害を考え,これを扱うことに専門性を発揮する特別な看護分野である」との定義をつけ加えて論ずることとしたい.
一般総合病院では急性疾患の治療が優先されており,そのため看護の優秀さは,医師の急性疾患への対応をいかに効率良く支援できるかによって評価される.一方慢性疾患は,治療効果が顕著で無いため医師が興味を示さず,そのため看護婦もこれを積極的な興味の対象とすることが少ない.しかし総合病院において慢性疾患患者の数は多く,これらの患者への治療を向上させるためには,リハ看護の専門性を確立することが望ましい.
それが困難な場合は,慢性疾患と急性疾患とを区別した看護アプローチが必要と考える.この立場から,急性疾患と慢性疾患(あるいは障害)に関わる治療者の行動様式の違いを述べ,さらに総合病院において急性疾患に関わりながらリハ看護を行うとしたらどのような工夫が必要かを考えてみたい.
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