第45回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/横浜 《パネルディスカッション》リハビリテーション難渋例の実践検討1―高次脳機能障害―座長/原 寛美・本田 哲三
社会的行動障害に対するリハビリテーションチームアプローチ
浦上 裕子
1
1国立障害者リハビリテーションセンター病院
pp.789-792
発行日 2008年12月18日
Published Date 2008/12/18
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はじめに
高次脳機能障害患者は,回復期にしばしば社会的行動障害1)(表)を示す.これは記憶や注意の障害から,周囲の環境を適切に認知・制御できず,自らの感情を抑制することが障害されているひとつの認知障害である2).この中でも情動制御困難・脱抑制・攻撃性亢進などの症状は,その程度によっては医学的に医療保護入院の対象となりリハビリテーション(以下,リハ)の継続が困難となる場合がある.われわれは社会的行動障害に対しては多専門職種が連携してかかわる包括的なチームアプローチが重要であると考えている.本稿ではびまん性軸索損傷例の回復期に重度の社会的行動障害(情動制御困難・脱抑制・攻撃性亢進)を示す例に対して統一したチームアプローチ[医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理療法士・医療ソーシャルワーカー]をとることで,情動制御が可能となり在宅生活に移行できた例を経験したので報告する.
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