Japanese
English
特集 末梢神経損傷とリハビリテーション
末梢神経損傷修復後の運動機能変換
Conversion of Motor Function after Repairing of Peripheral Nerve Injuries.
伊地知 正光
1
Masateru Ijichi
1
1産業医科大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, University of Occupational and Environmental Health.
キーワード:
末梢神経損傷
,
運動機能回復
,
機能変換
Keyword:
末梢神経損傷
,
運動機能回復
,
機能変換
pp.941-944
発行日 1984年12月10日
Published Date 1984/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105294
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はじめに
末梢神経損傷で,筋が脱神経された場合,その脱神経筋の機能を回復させるためには,何らかの方法で,筋の再神経支配を得させる必要がある.
その方法として,断裂神経幹の端々縫合,ギャップが大きい場合の神経移植,中枢側が利用できない場合の神経交叉縫合,末梢側の神経幹が縫合できない場合の,中枢側神経幹の筋内埋没などがある(図1).
実験的または生理学的に,筋の再神経支配は,これらの方法で,中枢側神経幹より再生軸策が,末梢側神経幹内に進入し,筋に到達して,神経筋接合部を再生させ,神経刺激による筋の収縮が得られることによって,確認される.
しかし,臨床的に筋の機能の回復が得られたかどうかは,その随意的収縮あるいは巧緻運動が再び可能になったいるかどうかをみる必要がある.
形態学的に神経筋接合部の再生の証明や,神経の電気刺激による機械的な筋収縮があったとしても,必ずしも臨床的に十分な随意運動につながらないことがあるのが,大きな問題である.
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