書評
―山下文雄(久留米大学教授)監訳―発達的視点からみた障害児の療育―第2巻 障害児の心理的,社会的問題と教育
平井 久
1
1上智大学
pp.391
発行日 1984年5月10日
Published Date 1984/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105168
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この第2巻「障害児の心理的,社会的問題と教育」は,編者Theodor Hellbrugge氏の主宰するミュンヘン小児センターが,各種の障害児を受け入れる時,診断についてはこのように考え,又こんな準備がなされ,治療についてもこのように考え,またこんなことが可能であることを示した本である.ただ一見しただけでも,大変広大な構想の下に,診断と治療が行われていることには敬服するものがある.
背景となっている考え方は,編者の「社会小児科学」であり,それと密接に関係した施策として発達的視点に基づいた「発達リハビリテーション」があることはいうまでもない.この障害児の発達に関する診断・治療の方法論的根底には,次の3点が認められる.その第一には行動学的観察法(「生態学的ではない),第二に,神経運動学的方法,第三として,モンテリーリ治療教育法がある.
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