巻頭言
義肢装具適合士の養成について思うこと
柴田 貞雄
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター学院
pp.939
発行日 1983年12月10日
Published Date 1983/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105075
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肢体不自由のリハ・チームに新らしいプロフェッショナル―義肢装具適合(略称PO)―が加わり,一段とリハビリテーションが充実することになろう.その養成事業の一端に偶々携わることになり責任の重さを思い知らされているが,一方では大いなる夢も与えられ心楽しい毎日でもある.それはこの専門職が様々な面で大きな可能性を秘めており,それをどのように開花させるか色色と思い廻らせることに忙しいからである.
POとは,患者・障害者の不自由を自らが義肢や装具を創作して,最高の状態に回復改善させることが出来る,という他では果せない特異な専門家だと考えられる.つまり,その人格は,患者・障害者の状態をよく把握し最良を見い出すという意味で紛れもなきう医療人であり,同時に必要な機能を精緻に作り上げる高度の技術者でもある.このことは,この専門領域の広がりの大きさにつながり,将来にわたる発展の余地も極めて大きい.義肢装具に対する需要が圧倒的な勢いで増加し,技術の研究開発,POの養成教育の各面でも活力が凝集されると見込まれるからである.
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