巻頭言
在宅脳卒中患者の健康体操
大田 仁史
1
1伊豆逓信病院第二理学診療科
pp.687
発行日 1983年9月10日
Published Date 1983/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105018
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ラジオ体操の軽快なリズムを耳にすると,何となく手足を動かしたくなる人は多いだろう.だが,どれほどやっているかと問われればほとんどの人は首をすくめるに違いない.「運動不足病」という言葉に驚かされて,最近,ジョギングやエアロビックなスポーツにとびついた人が増えたそうで結構な話である.しかし,三日坊主はもっと多いのではなかろうか.頭では分っていても行動が伴いにくいのが人情.ひとりで続けるとなればなおさらだ.とはいえ,手足が自由ならその気になりさえすれば大抵の運動は可能だし,昨今仲間にこと欠くこともない.やらないのは本人にやる気がないだけのことといってよかろう.
脳卒中の人達が「運動不足病」になったらたちまち「廃用症候群」に陥るのは自明.この人達こそわれわれ以上に手足を動かさなければならないはずだ.しかし,この人達に,われわれにとっての「ラジオ体操」や「エアロビック運動」に当るものがあるだろうか.そして第二に,「仲間」は簡単にできるだろうか.
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