Japanese
English
特集 廃用症候群へのアプローチ
起立性低血圧
Orthostatic Hypotension in Rehabilitation.
井上 和宏
1
,
緒方 甫
1
Kazuhiro Inoue
1
,
Hajime Ogata
1
1産業医科大学リハビリテーション医学
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
起立性低血圧
,
自律神経機能障害
,
廃用症候群
Keyword:
起立性低血圧
,
自律神経機能障害
,
廃用症候群
pp.787-793
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106879
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はじめに
起立性低血圧はリハビリテーション医学領域において,高位脊髄損傷者を代表とする重度の広範囲の麻痺を有する者,長期臥床者あるいは高齢者などにしばしば合併し,リハビリテーション・プログラムならびにADL(日常生活活動)に対して多大な影響を及ぼすことが少なくない1).
最近,リハビリテーション医学領域において,廃用症候群という概念が注目されている2).特に目につきやすい筋骨格系の廃用,すなわち関節拘縮,廃用性の筋萎縮ならびに骨萎縮(骨粗鬆症)などに対する関心は高いようである.しかしながら,リハビリテーション医療において起立性低血圧に対するアプローチは必ずしも十分ではないと思われる.
本稿では,起立性低血圧の障害像,病態生理(特に廃用との関係),さらには治療ならびにケア(特にリハビリテーションおよび日常生活上の注意)について概括する.
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