学会報告
第34回関東地方リハビリテーション医学懇話会―昭和57年7月3日 於:東京医科歯科大学
竹内 孝仁
1
1東京医科歯科大学
pp.325-328
発行日 1983年4月10日
Published Date 1983/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104940
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<特別講演>
男子脊髄麻痺者の性の問題
神奈川リハビリテーション病院
宮崎 一興
男子脊損者の性機能は絶望視されがちであるが,麻痺の程度,高さ,経過年数に左右されつつ様々に残存機能が認められる.勃起不全に対しては残存能力訓練の外,体内外に使用する補助具などがあり,射精不全に対しては,電気刺激,薬物による人工的刺激によって射精能力を代償することも出来る.
人工的性機能刺激は電気的方法より薬物的方法の方が成功率が高く,下位脊損者よりも,上位脊損者の方が勃起,射精共に起り易い.得られた精液の条件が良く,配偶者間人工授精(AIH)を望む場合には,妻の排卵日に合わせてAIHを行う.現在までに8例の障害者夫婦にAIHを行って来たが,受精,分娩の成功例は少なく,昭和56年6月に行ったAIHが本邦で始めて成功し57年3月9日自然分娩で健康児を出産した.
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