学会報告
第69回関東地方リハビリテーション医学懇話会―1992年7月11日(土),於・東京慈恵会医科大学国領校
米本 恭三
1
1東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学教室
pp.249-253
発行日 1993年3月10日
Published Date 1993/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107324
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.von Recklinghausen病のリハビリテーション経験
東京慈恵会医科大学リハビリテーション科
土田昌一・池添祐大・稲田祥宏・星野寛倫
河井宏之・福田千晶・鄭健錫・加藤健一郎
小林一成・猪飼哲夫・宮野佐年・米本恭三
多発性に頭蓋内と脊髄髄内に腫瘍を認めたvon Recklinghausen氏病のリハビリテーションを経験したので報告した.症例は29歳の男性で皮膚所見から同病と診断され11年の経過中に多発性の中枢神経系腫瘍を認めた.髄膜腫,神経膠腫,聴神経鞘腫など頭蓋内腫瘍と全脊髄にわたる腫瘍であった.cafe-aulait spotsを認めるものの,他の皮膚・骨病変はなく,neurofibromatosisのタイプ2と考えられる.11年に及ぶ長期経過観察の間に左下肢の単麻痺が四肢麻痺へと移行し,機能低下に応じて明確なゴール設定の下に期限を区切ったリハビリテーションアプローチを行ってきた.またゴール設定に際しては本人および家族と予後を含め,十分な話し合いを行っている.今後,四肢麻痺の進行・球麻痺の出現・聴力廃絶など病状の悪化が懸念され,環境調節も含めてのリハビリテーション・アプローチが必要であると思われる.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.