Japanese
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特集 リハビリテーションと精神医学
青壮年のリハビリテーション患者と,その家族をめぐる精神医学的諸問題
The Psychological Problems of Young Adult or Adult Patients and Their Families on The Rehabilitation.
木下 潤
1
Jun Kinoshita
1
1神奈川県立芹香院
1Kanagawa Prefectural Mental Hospital, Kinkoin, Konan-ku, Yokohama-shi.
キーワード:
精神医学的問題
,
家族との対応
Keyword:
精神医学的問題
,
家族との対応
pp.611-616
発行日 1981年8月10日
Published Date 1981/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104586
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はじめに
筆者が神奈川県総合リハビリテーションセンターに所属していた昭和48年8月開院以降4年間に,精神神経科併診を求められた他科入院患者は,約70名にのぼっている.この間の病院全体の入院患者総数は1,892名で,うち精神神経科自体の入院患者総数は114名であったことからみて,決して少ない数とはいえないだろう.併診の依頼科は整形外科,リハ科,脳外科,泌尿器科が断然多く,いわゆる身体障害のなかで精神を病む者がいかに多いかを示しているともいえる.リハビリテーションを行う病院では,常設科として精神科が必要であることを示しているともいえるだろう.
併診依頼患者を症状別にみると,抑うつ症状,分裂病症状,意識障害,痴呆症状,痙攣,興奮,幻肢痛,アルコール嗜癖,転換ヒステリー,短絡反応,てんかん性精神障害,失明に基づく幻視,性格反応などに分かれている.
以下まず自験症例を提示して,その心理的問題点と具体的な対応,および家族との関わり合いなどの問題について考えてみたい.なお筆者は,すでに脊損患者における精神的問題については別に論じており1),また身障者としてリハビリテーション治療に関わってくる転換ヒステリーの問題も詳述しているので2),今回はそれらで触れた事柄については省略することとしたい.
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