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特集 リハビリテーションと精神医学
リハビリテーション患者と家族:小児における精神医学的諸問題
Patient and Family in Rehabilitation Children.
渡辺 久子
1,2
Hisako Watanabe
1,2
1慶応大学医学部精神科
2小児療育相談センター
1Department of Psychiatry, Keio University School of Medicine.
2Children's Medical and Educational Care Center.
キーワード:
小児
,
療育
Keyword:
小児
,
療育
pp.605-610
発行日 1981年8月10日
Published Date 1981/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104585
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はじめに
最近の医学の進歩はめざましく,胎児学,周産期医学,新生児学などの新しい分野の発達は,従来は治療ができなかったさまざまな小児の疾患を早期に予防し,治療する可能性を刻々ときり開いている.その一方では,不幸にして根治できずに障害を残した小児に対しては,障害による身体的心理的不利益をできるだけ軽減し,障害を持ちながら充実した満足のゆく人生を送ることができるように援助することが必要とされる.
一般にリハビリテーションには根治できなかった身体的障害Physical Disabilitiesに対して対症療法的治療や二次的障害の予防や機能の再建を行うための<医学的リハビリ>と,身体的障害に伴う心理的障害Psychological Disabilitiesを克服するための<心理社会的リハビリ>があり,医療面と社会面が密接に連携を持ちながら,患者の人間性を復権する目的を持つ1).この点は小児においても変わりはない.ただ障害を持つに至る年代によって,リハビリテーションの意味や方法論や効果はさまざまに異なる.その意味において,ここでは小児期に障害を持つ場合について考えたい.
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