Japanese
English
特集 リハビリテーションと精神医学
老人のリハビリテーションと家族の重要性―家族の能力とケアに伴う諸問題
The Importance of The Familiy in The Rehabilitation of The Aged.
奥川 幸子
1
Sachiko Okugawa
1
1東京都養育院付属病院
1Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital.
キーワード:
老い
,
死
Keyword:
老い
,
死
pp.617-622
発行日 1981年8月10日
Published Date 1981/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104587
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Ⅰ.老人と患者と家族――家族が何故大切か
①「何放,家族のことまで病院が心配してあげなくちゃいけないんですか?」――PT の学生がソーシャルワークのオリエンテーションの最中に発した素朴な質問である.その場にいたワーカーが感慨深げにつぶやいた.「よく言った! その学生を偉いと思った.私たち(ソーシャルワーカー)は30年間このことを世の中に認めてもらうために働いてきたのよネ」
②「本当は病院はここまでやる必要はないんですよ!○○さん(註:筆者の名字)のやっていることは全て,こちらのサービスですから.本来は『退院して下さい』と言えばこちらはいいんですよ!」――リハビリテーションを担当してまだ日が浅いドクターが,退院を目前に控えた老人患者の家族を前にして言った.家族ダイナミックスも,何故,家族が家庭への受入れを渋るのか(拒否しているのではない.当惑しているのである)は,そこでは問題にされなかった.その不問の意味は複雑である.
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