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はじめに
筆者は約4年前に第9回修正国際疾病分類の障害分類(案)につき紹介した1).その時にも述べたように,当時の案には慎重論が強く結局第9回修正には含まれず見送りになった.しかし,障害分類の必要は衛生統計の上からも,保健計画の上からも痛感されているので,WHOではその後もイギリスのDr Philip H.N. Woodが中心となり,多くの国際組織や専門家の協力を得て,さらに検討を加えた結果,かなり大幅な変更を加えた新案を「試行用(for trial use)」として,昨年(1980)夏に出版するに到った.これは序文からも明らかなように第9回修正国際疾病分類(International Classification of Diseases,I.C.D. )への補足的な分類であるが,その一部をなすものではなく,あくまでも試行的なものであり,この分類についての意見がDr Wood に寄せられることが期待されている.
しかしそうとはいっても,本書(WHO: International Classification of Impairments,Disabilities,and Handicaps,ICIDH)は207ページの大冊であり,かなり決定版的な性格をもっており,リハビリテーション界だけでなく,障害と障害者に関係する学問的・実際的な諸分野に与える影響が少なくないように思われる.本書は当然わが国の責任ある機関(厚生省など)によって飜訳紹介されてしかるべきものであるが,ここではとりあえず前回の案との基本的な相違点といくつかの分類例について紹介したい.なお本書は丸善その他WHO図書を扱う書店で入手可能である.
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