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はじめに
ソフトスーツ(自己適合形モジュラー装具SFMO)の重さはおよそ3kgで少しも重いということはありません.現在私のバックの中にこのシステムを持ってきております.ただ脚の長さが正確にわかりませんでしたので,少し長めのものを持ってきました.そのため少し重くなっております.この脚の長さは身長に合わせて切断することができます.
われわれが設計を行うに当たって目標としていることは,より高位な脊髄損傷患者に対しても使えるようにということであります.現在は骨盤,腰骨のレベルですので,より高位の重症な症例にもこれを使用していくことができるようにと考えております.
患者の年齢は重要な要素です.若い患者に対してはテストしましたが,高齢の方々に対してはまだ実験を行っておりません.しかし高齢者に対して使用しても,よい結果が得られるだろうと考えております.
もう一点は患者の心理的な面の問題であります.患者の中にはその習得が非常に早く,すぐに使用できる人もおりますが,装具を全く使用したくないという患者もおります.車イスで十分だ,車イスから立ち上がりたくない,つまり車イスに座っていれば安全だと感じているのです.そして垂直な姿勢になると不安を感じてしまう,つまり装具を装着すると不安感が出るという人がおるわけです.それゆえこの装置は完全に,安全であるということを説得する必要があります.
まず使いはじめには,どの患者もこわがっております.そして筋がけいれんしてしまう患者がよくあります.そのような場合スパスチックな状態ではこの装具を使用することができません.スパスチックな筋の場合には,より大きなシステムが必要になりますし,そうなりますと重量も増してきます.
このシステムは,普通のズボンとして使用できます.そしてこれを使用したあと,自分の普通のズボンをはくこともできます.外側から見ると全く,これを使用していることがわからなくなります.
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