書評
てんかんリハビリテーション ジョージN. ライト編著 秋元波留夫・大沼悌一監訳 国立武蔵療養所てんかん研究会訳
小島 蓉子
1
1日本女子大学文学部社会福祉学科
pp.990
発行日 1980年12月10日
Published Date 1980/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104439
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「400万に及ぶてんかんアメリカ市民とその家族が発作という古くからの重荷と,自助・独立に対する社会経済的制約という重荷とにあえいでおり,……てんかんに対する正しい知識は,その重荷からこれらの人々を解き放つのに役立つにちがいない」という確信のもとに,米国中のてんかんリハビリテーションにかかわる科学者や研究的実践家の研究成果を集めて,米国リハビリテーション・リサーチの第一人者であるウィスコンシン大学のG.N.ライト教授が体系化したのが本著である.
内容は,てんかんリハビリテーションの理念,医学的知識,法的権利擁護,心理社会的側面,評価,カウンセリング,職業リハビリテーションの立案とカウンセリング,職業紹介と就職後の定着指導,行政・公的援助網の実態,民間活動の実践等,広範に亘る.「総合的リハビリテーションはてんかんをもつ人と,協力する多面的チィームワークが必要」といわれる通り,リハビリテーションの流れにそって包括的に,かつ各専門分野の機能を明解に位置づけて実際的に記述している.
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