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講座
脳卒中(9)―脳卒中とCTスキャン(Ⅲ)くも膜下出血のCT
Cerebrovascular Disease (9). CT of Cerebral Apoplexy (Ⅲ).
喜多村 孝一
1
,
中原 明
1
Koichi Kitamura
1
,
Akira Nakahara
1
1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Tokyo Women's Medical College.
キーワード:
CT
,
apoplexy
,
subarachnoid haemorrhage
Keyword:
CT
,
apoplexy
,
subarachnoid haemorrhage
pp.736-747
発行日 1980年9月10日
Published Date 1980/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104390
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はじめに
くも膜下出血が脳血管障害の中で占める割合は約10%と低いが,外科的治療を必要とする頻度は高く,早期鑑別診断が重要であることはいうまでもない.
くも膜下出血の原因には脳動脈瘤の破裂,脳動静脈奇形の破綻,もやもや病,諸種の血液疾患,血管の炎症性疾患,血管腫,外傷性のものなどがあり,他に約20%に原因不明のものがある.また,二次的にくも膜下出血をきたすものには高血圧性脳内出血の脳室内穿破・くも膜下腔穿破,腫瘍出血,原発性脳室内出血などがある.本稿では発生頻度が高く外科的処置を要する機会の多い脳動脈瘤,脳動静脈奇形,もやもや病を中心にくも膜下出血のCT像について述べる.そして脳卒中様症状を呈す慢性硬膜下血腫についても言及する.
くも膜下出血の場合,その原因が動脈瘤であれ動静脈奇形であれ,病巣の検出という点では脳血管撮影が優っている.しかし,出血により惹起される二次的な病態(脳内血腫,脳室内血腫,脳槽内血腫,血管攣縮に続く脳梗塞,水頭症など)の把握にはCTの方がより有用である1,2).この点に留意しつつ各疾患ごとにCT像の特徴について述べる.
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