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講座
脳卒中(7)―脳卒中とCTスキャン(Ⅰ)
Cerebrovascular Disease (7) CT of Cerebral Apoplexy (I).
喜多村 孝一
1
,
中原 明
1
Koichi Kitanura
1
,
Akira Nakahara
1
1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Tokyo Women's Medical College.
キーワード:
CT
,
Cerebral apoplexy
Keyword:
CT
,
Cerebral apoplexy
pp.573-580
発行日 1980年7月10日
Published Date 1980/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104359
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はじめに
脳血管障害は,わが国の死亡原因の第1位の座を長年占め続けており,また生存例の多くは片麻痺を中心としたいろいろの障害を後遺しやすい.ところで従来脳血管障害急性期の鑑別診断はなかなか難しく,早期治療に結びつかず治療効果が十分あがらない面があった.
1972年Hounsfield1)により開発されたコンピューターX線断層(computed tomography,CT)は,頭蓋内疾患の放射線学的補助診断法として,脳血管撮影とならぶ画期的なすぐれた方法であり,頭蓋内病変診断のためのfirst choiceの検査法として必要不可欠なものとなってきている2~4).特に脳血管障害急性期の病態の把握法としては,non invasive parenchymographyであるCTは一層有用性に富むと考えられる5,6),また,脳梗塞,高血圧性脳内出血,クモ膜下出血の急性期の鑑別は,従来の臨床神経学的診断,脳血管撮影所見に基く診断では難しい面があったが,CTの所見を加えることにより,より正しく診断されるようになった7~9).
本邦では,頭部CTは1975年8月に導入され,現在ではアメリカ合衆国に次ぐ世界第2のCT保有国となり,脳卒中をはじめとし頭蓋内病変の診断に威力を発揮している.以下,CTスキャン,そして脳卒中のCT像について述べてみたい.
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