一頁講座 リハビリテーションと法律・6
特殊教育
山下 晧三
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1文部省初中局特殊教育課
pp.495
発行日 1980年6月10日
Published Date 1980/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104346
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学校教育法と特殊教育
心身障害児に対する義務教育の機会の保障は,日本国憲法,教育基本法に明示された「教育を受ける権利」および「教育の機会均等」により,初めて原則的に確立されたということができますが,この理念を具現したものが,教育基本法と同時に昭和22年3月31日に公布された学校教育法です.これは,わが国の学校体系を根本的に改めたもので,これにより特殊教育も一般の学校教育の一環をなすものとされたのです.すなわち,第1章総則第1条において,「この法律で,学校とは,小学校,中学校,高等学校,大学,高等専門学校,盲学校,聾学校,養護学校及び幼稚園とする.」(改正条文)と規定されているように,盲学校,聾学校および養護学校(以下,特殊教育諸学校)が,学校教育体系のうちに明確に位置づけられたのです.
ところで,特殊教育に関する必要な事項は,第6章「特殊教育」(第71条から第76条)に定められています.ここには,目的,設置される学部,教科書,寄宿舎,都道府県への特殊教育諸学校の設置義務,特殊学級等についての規定がありますが,第71条「目的」で,小学校等に準ずる教育を施すことを規定することで,基本的には一般の児童・生徒と同様に,心身障害児に対して教育の機会を等しく保障しようとする原則が貫かれています.
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