◆特集 作業療法の新しい領域
特殊教育と作業療法
槇 美佐子
1
1横浜市養護教育総合センター
pp.22-29
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
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はじめに
今回,機関誌編集委員会からの依頼があり,「OTの新しい領域」という特集を組むので,特に特殊教育の領域における作業療法(以下,OTと略)の展望について述べてほしいということであった。
特殊教育は巾広く,又,奥の深い領域であると考える。同時に,OTにとっては未知の世界であり,新鮮でかつ魅力あふれる領域と思われる。しかし,広い視野にたって特殊教育とOTについて展望を述べることは,非常に大きな課題であり,筆者にとっては,はるかに能力の限界を超えている。
筆者は,OTの資格をとってから,総合リハビリテーションセンター,発達障害乳幼児の通園施設を経て,現在,特殊教育の行政・相談機関に勤務して3年目をむかえる。教育委員会の職員という自覚はあるが,OTとしてのアイデンティティも,失ってはいないつもりである。OTとしてのわずかな経験をもとに,日々の仕事におわれている毎日である。
養護学校には何人かのOTの資格をもつ人が勤務しているようである。昭和59年度のOT協会の名簿では9名を数えることができた。その他,肢体不自由児学級や,聾学校へ,嘱託として定期的にOTが指導に行っている例は知っているが,筆者のように教育委員会に所属しているOTは他に例を聞かない。
今回,この機会に同センターにおけるOTの業務を少し整理し,今後,より方向づけを持った仕事ができるようになればと思う。又,同時に,特殊教育におけるOTの展望について,若干の私見を述べてみたい。
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