Japanese
English
特集 失調症
失調症の分類と症候論
Classification and Symptomatology of Ataxic Diseases.
山下 順章
1
,
黒岩 義五郎
2
Yoriaki Yamashita
1
,
Yoshigoro Kuroiwa
2
1産業医科大学神経内科
2九州大学脳研神経内科
1Department of Neurology, School of Medicine, University of Occupational & Environmental Health.
2Department of Neurology, Neurological Institute, Faculty of Medicine, Kyushu University.
キーワード:
失調症の分類
,
失調症の症候論
Keyword:
失調症の分類
,
失調症の症候論
pp.89-94
発行日 1980年2月10日
Published Date 1980/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104267
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はじめに
歴史的にみて神経学の領域で運動失調ataxiaという言葉が最初に用いられたのは19世紀の中頃でBouilaud(1846)によるものとされている.
当時の失調症の代表的疾患は脊髄癆であり,したがって深部感覚性(脊髄性)失調についての症候学がその研究の中心であった.20世紀初頭になって始めて小脳性失調の概念がBabinski,André Thomas,Holmesらにより明確にされ,さらにBárány,Barréらを中心に前庭・迷路性失調の概念も確立され,運動失調の症候学は飛躍的に進歩をとげることになった.またこの間,これらの神経学者らにより大脳性失調症という概念も取り上げられるようになり症候論も一方で複雑,難解となりつつある.
そこで今回は運動失調を単に症候論のみでなく簡単な機能解剖を含めて説明を加わえ,その代表的失調症についても触れてみたい.
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