Japanese
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特集 熱傷のリハビリテーション
熱傷のリハビリテーション
Rehabilitation of the Burned Patient.
千野 直一
1
Naoichi Chino
1
1慶応義塾大学医学部リハビリテーションセンター
1Rehabilitation Center, Keio University School of Medicine.
キーワード:
拘縮
,
ケロイド
,
熱傷チーム
Keyword:
拘縮
,
ケロイド
,
熱傷チーム
pp.277-281
発行日 1979年4月10日
Published Date 1979/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104136
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はじめに
熱傷は人間が火や温熱を用いはじめた古代より存在したものと考えられ,文明の進歩とともに増加し,ことに産業の機械化にともなって労働災害としてもみられるようになった.しかし,頻度としては,一般家庭で発生するもの,つまり暖房器具や家事などによるもので,小児の被災率が高い1).
熱傷によりもたらされる問題点は多岐にわたリ,他のあらゆる疾病と同様に,リハビリテーション(以下,リハビリと略す)医療は,受傷直後よりはじめられ,二次的に生ずる障害を最少限にくいとめ,その後の機能の修復をはかり,最終的には患者を社会復帰させることを目的とする.
ここでは,熱傷のリハビリプログラムを,Ⅰ.急性期と,Ⅱ.慢性期に分けて論ずることにする.一般に,熱傷のリハビリでは急性期においてより,慢性期に比重がおかれるが,リハビリプログラムは熱傷の受傷直後より開始されなければならない.そして,本特集号では,熱傷の急性期の処置についてはすでにくわしく論ぜられているので,本稿はとくに慢性期のリハビリプログラムに重点をおいて述べる.
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