原著
Nodular scleroderma
山下 浩子
1
,
吉川 伸子
1
,
上村 知子
1
,
川島 眞
1
,
柏崎 禎夫
2
Hiroko YAMASHITA
1
,
Nobuko YOSHIKAWA
1
,
Tomoko UEMURA
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
,
Sadao KASHIWAZAKI
2
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical College
2Institute of Rheumatology, Tokyo Women's Medical College
キーワード:
nodular scleroderma
,
PSS
,
多発性結節
,
ケロイド
Keyword:
nodular scleroderma
,
PSS
,
多発性結節
,
ケロイド
pp.449-456
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901217
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
全身性強皮症(PSSと略す)に伴うnodular scleroderma(NSと略す)の2例を報告し,詳細な記載のある既報告12例と合わせて検討した.その特徴は①主に胸腹部に1〜3cmの褐色調の楕円形結節が多発する,②PSS発症1〜2年後に出現し,数カ月で増数する,③病理組織学的には膠原線維の増生である,④症例の一部にケロイドの素因がある,などである.特に,その特徴的な臨床像に着目すれば,独立疾患としてとらえてよいと思われる.NSの発症機序は不明であるが,PSSとの関連性において,PSSの自己免疫疾患としての免疫学的異常状態が誘因となる,あるいはPSS+ケロイド素因の個体に発症しやすい特異な線維性増殖症と考えたい.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.