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編集後記
横山 巌
pp.862
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104076
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今月の特集は「リハビリテーションにおけるハリの応用」である.話は古くなるが,15年前,ニューヨーク大学のIPMR(現在のIRM)で,たまたま講演にこられたOTのRoodさんの話をきいた際に,いささか教祖的・狂信的色彩があるなどと友人達と批判しながら,一方では,もしブラシでこする位である程度の治療効果があるものならば,東洋に伝わるハリ治療を再検討しなければいけないなと思ったものである.しかし,数年を経ずして中国でハリ麻酔法が開発され,その後世界的にハリ治療の見直しの傾向がおころうとは全く思いもかけぬことであった.ハリ治療はリハビリテーション医療だけに限局されるものではないが,リハビリテーション医療においても積極的に応用すべきものであるか否か,この辺で十分に検討されるぺきであろうと思われる.
今回の特集では用語としてハリ,針,鍼の三つが用いられている.われわれの感覚では鍼というと鍼治療を,針からは縫い針,時計の針,注射針を連想しやすいが,辞書をひいてみると針は鍼の俗字とあり,意味は同じである.中国では漢字の簡略化が進められているので,昔の本には鍼が用いられているとのことである.一方,わが国の法律用語としては仮名書きが用いられている.一応,特集のテーマにはハリの字を使わせていただいた.
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