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編集後記
横山 巌
pp.510
発行日 1976年6月10日
Published Date 1976/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103579
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リハビリテーション医学会をはじめ,関連諸学会の春の部がほぼ終わって,新しい年度のスタートがきられ,新鮮な気分の盗れる思いのする季節である.
今月の特集は脳卒中をおとどけする.片麻痺のリハの特集がとりあげられたのは本誌の創刊号および第2号であり,それから既に3年半の歳月が過ぎ去った.その後,老人のリハ,ファシリテーション・テクニック,失行症・失認症の特集その他で,脳卒中関係の事項は折にふれてとりあげられてきたが,今回は今まで本誌ではとりあげられなかったトピックスが揃えられた.最近数年間に脳卒中の治療の中に重要な地位を占めるようになったものに脳外科的治療があるが,今回は内科側から山之内氏,外科側から坂本氏がこれについて執筆され,.併せ読むときわめて興味深い.大腿骨頸部骨折は片麻痺のリハの上での大きな問題の1つであるが,古谷氏はその豊富な経験から治療法の選択について有益な知見を述べられた.片麻痺の回復過程について重野氏は,回復状況の解析とさらに機能回復のメカニズムについての最新の知見の紹介をされた.脳卒中のリハ医療必要患者数の推定と対策は東京都衛生局から調査を委託されたものの紹介であり,その責任者であった私が書かせていただいた.三島氏,尾賀氏,松井氏の小論文はいずれも興味深く拝見した.
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