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編集後記
横山 巌
pp.1204
発行日 1991年12月10日
Published Date 1991/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106973
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ソ連邦の崩壊という世界的な大事件の起こった1991年も間もなく終わろうとしている.光陰矢の如しという言葉が実感される季節である.
今月の特集は「脳卒中リハビリテーションのトピックス」である.トピックスの内容は田中氏らの廃用性筋萎縮,大川氏らの廃用性骨萎縮,石田氏の排尿障害,半澤氏らのうつ,佐鹿氏の80歳以上の高齢者のリハビリテーションの5論文であるが,うつを除いては廃用症候群そのもの,あるいは極めて関係の深いテーマである.廃用症候群は古くて新しいテーマであり,最近この領域では良い業績が数多く発表されているが,筆者にとってはこの領域の先駆的業績の一つであるDeitrick,Whedon & Shorrの論文を読んだときの感動が今でも忘れられない.それは1947年American Journal of Medicineに載ったimmobilizationの人体実験の報告であり,4人の健康青年男子の下半身をギプスで固定して8週間にわたって安静をとり続けさせて,その間の血液や尿やその他の変化を追った34頁にわたる詳細な論文で,お読みになった方も多いことと思う.
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