Japanese
English
研究と報告
前骨間神経症候群とその電気診断
Anterior Interosseous Nerve Syndrome and it's Electrodiagnosis.
長谷川 寿美玲
1
,
土肥 信之
1
,
赤掘 治
2
Sumire Hasegawa
1
,
Nobuyuki Dohi
1
,
Osamu Akahori
2
1川崎医科大学リハビリテーション科
2岡山済生会総合病院整形外科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kawasaki Medical School.
2Department of Orthopaedic Surgery, Okayama Saiseikai General Hospital.
キーワード:
前骨間神経症候群
,
末梢神経麻痺
Keyword:
前骨間神経症候群
,
末梢神経麻痺
pp.669-673
発行日 1978年9月10日
Published Date 1978/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104039
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はじめに
前骨間神経麻痺は,母指IPと示指DIPとの屈曲障害を主徴とするもので,図1に示すような特有なピンチを示す疾患である.前骨間神経は純粋な運動神経で,正中神経が橈骨頭を過ぎて円回内筋に枝を出した後に分枝し,長母指屈筋,示指としばしば中指の深指屈筋,方形回内筋を支配している.
1948年,Personage & Turner1)がneuralgic amyotrophyの135例の中に5例の前骨間神経麻痺を報告したのを初めに,以後Kiloh & Nevin2),Thomas3),Fearn & Goodfellow4)と報告されている.本邦における報告は森崎5)を初めとして多くの報告があり,その成因,臨床症状,手術所見についての検討がされてきている.
当科外来においても,前骨間神経麻痺と思われる6症例を経験したので,ここに報告する.また前骨間神経の興奮伝導速度(以下伝導速度と省略)に関する報告が少ないので健常者の肘・方形回内筋のdistal latency測定値についても述べる.
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