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特集 リハビリテーション医学の基礎―正常生理と病態生理
Ⅱ.機能障害の病態生理と回復過程
骨・軟骨損傷の治癒過程
Repairment Process of Injured Bone and Cartilege
明石 謙
1
Ken Akashi
1
1川崎医科大学リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kawasaki Medical College.
キーワード:
骨軟骨
,
治癒過程
Keyword:
骨軟骨
,
治癒過程
pp.948-954
発行日 1977年12月10日
Published Date 1977/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103893
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Ⅰ.骨折の修復
骨折部に重大な治癒阻害因子がなければ,骨折は大体次のような経過で治癒して行く.
まず骨折がおこって骨が破損し,同時に骨内外の軟部組織が損傷をうける.当然の結果としてその部位に炎症症状と出血がおこり,血腫を形成し,その血腫内への多くの細胞の遊出やフィブリン網の形成がおこる.血腫の役割については明確ではないが,骨膜の内層から多くの細胞が遊出し,その部位の状態によって異なった組織,類軟骨組織や類骨組織を形成,カルシウム沈着がおこり仮骨を形成する.仮骨形成の源は,何も骨膜に限らず,内骨膜からの形成も起るのであるが,いずれにせよ,これらの仮骨は骨折端を連結する.仮骨は次第に成熟骨に置き換えられ,その部位に加わる力の状態により再構築がおこって,骨折の治癒が完了する.
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