増刊号 それぞれの創傷治癒
10.骨・軟骨の創傷治癒
塗 隆志
1
,
上田 晃一
1
1大阪医科薬科大学形成外科
pp.S44-S50
発行日 2024年6月30日
Published Date 2024/6/30
DOI https://doi.org/10.18916/keisei.2024130013
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はじめに
本稿では骨・軟骨の創傷治癒について述べる。形成外科医が初期対応を求められる骨折や軟骨損傷は顔面外傷に伴うものがほとんどであるが,頭蓋顎顔面領域の外傷では軟部組織の欠損を伴うことが少なく,さらに同部は血流が良いため,難治性の創傷に移行する例は少ない。一方で長管骨や踵部などの荷重部位に生じた開放骨折後や,開頭手術や開胸術後に生じた感染では,難治性の骨髄炎や偽関節になる場合があり,形成外科医が創傷管理や再建を依頼される機会も少なくない。骨・軟骨の創傷治癒過程を理解することは,創部の遷延治癒への対応のための重要な礎となると考える。
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