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実践講座 核医学の今・第1回【新連載】
認知症
Nuclear medicine brain imaging in dementia
岡村 信行
1
Nobuyuki Okamura
1
1東北大学大学院医学系研究科機能薬理学分野
1Department of Pharmacology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
認知症
,
PET
,
アミロイド
Keyword:
認知症
,
PET
,
アミロイド
pp.1321-1326
発行日 2012年10月10日
Published Date 2012/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103700
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はじめに
わが国における認知症患者数は年々増加し,2030年には400万人を超えるものと見込まれている.認知症の原因疾患で最も頻度が高いのはアルツハイマー病(Alzheimer's disease;AD)であり,脳血管性認知症,レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies;DLB),前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia;FTD)がこれに次ぐ.認知症では原因疾患に応じた治療,ケアを行うため,正確な鑑別診断が求められる.そこで認知症の診断精度を高める補助診断法として,各種の神経心理検査,CT(computed tomography)やMRI(magnetic resonance imaging)などの形態画像検査,PET(positron emission tomography)やSPECT(single photon emission computed tomography)などの核医学検査,脳脊髄液検査〔髄液中アミロイドβ(Aβ),タウ蛋白の定量〕などが使用される.核医学検査は認知症の早期診断・鑑別診断の両面で有用性が高く,脳萎縮がまだ軽微な病初期段階においても,脳局所で生じた神経機能障害を高感度に検出することが可能である.また最近では,ADの発症前からみられる老人斑の脳内沈着を画像化できるようになり,早期診断の切り札として注目されている1).
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