特集 授産施設と福祉工場
授産施設の現場から
障害別の枠を越えて予期以上の成果
池永 義啓
1
1社会福祉法人北海道リハビリー
pp.960-961
発行日 1976年12月10日
Published Date 1976/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103674
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石油ショックに端を発する今同の世界的な経済不況は,いろいろな角度から捉えられ論議されているが,要因や分析もさることながら,産業構造の大きな変革を急激にもたらしたことは事実である.従来ならば,大きな景気の波動に遭遇しても,ジッと我慢の子で待ってさえいれば,そのうちには必ず何とかなってきた.ところが今回は,そうは問屋がおろさないというところに,危機感の深刻さがある.
ベテランの経営者が必死になって,企業防衛に血の汗を流していてさえ,次々とあえなく倒産して行く時代に,理想だけは高くて立派だが,弱い部分を一杯抱え,まったく無防備に近い状態でこの苦況に立ち向かっている,われわれ授産施設のおかれている立易は,その昔,ローマの闘技場に引き出され,飢えたライオンの群を前に,力なく祈りを捧げるキリスト教殉難者の姿を思わせ,肌寒いものを覚える.
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